斜め横断の自転車と原付の事故

事故の概要
 平日の午後3時過ぎ、Aさんは原付を運転し、幅員約16mの片側2車線道路を通行していた。Aさんは、1台の自転車が前方右側から道路を斜めに横断しようとしているのに気がついた。しかし、見通しのよい直線道路であり、自転車が危険を冒して自分の前を横断するとは、Aさんは考えず、Aさんはそのままの速度で進行した。ところが、この自転車に乗っていたBさんは、原付の接近に気がついておらず、そのまま道路を横断しようと試みた。2台は衝突し、自転車に乗っていたBさんは重傷を負った。

 

事故の原因
 Bさんの自転車を認めながらも、Aさんが減速するなどの措置をとらなかったことが事故の原因である。一方、左右を十分確認せずに、道路を横断しようとしたBさんの行動にも問題がある。Bさんによれば、この道路はよく通行するとのことであったが、事故の前は、考え事をしていたため、安全確認を十分せずに道路に出てしまったと言う。

 

この事故から学ぶこと
 出会い頭の事故の中には、比較的見通しのよい場所で発生する場合が少なくない。このような場所では、直前の努力により事故を回避できる余地が大きいと考えられるが、双方の油断が重なると事故が発生する。この事例の場合、原付を運転していたAさんは、Bさんの自転車に気づきながらも回避措置をとらなかった。一方、自転車に乗っていたBさんは、安全確認の不十分と斜め横断という2つの不適切な行動をしていた。3つの油断が重なれば、回避可能な事故も、回避できずに事故になってしまう。

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